人食い・肉食・蜘蛛のお化け

●誰かをコントロールしてしまっている可能性

今から少し、手厳しい話をするが…。あなたはどうやら、「愛する人を自分の思った通りに動かしたい」、「変えたい」と言う気持ちが、強いようなんだ。

「わたし、相手を尊重するタイプよ？」と思ったなら、ここで質問。あなたは無意識に、こんなことをやっていないかい？

あなたは今、友達と３人で、外食に出かけることになったとしよう。３人の間で、お寿司とイタリアンが候補にあがる。すると、あなたは「あ、昨日わたしイタリアン食べたんだよな…。でも、２人の好きな方でいいよ！」と発言する。分かるかい？ここには、２つの異なるメッセージがある。

1.「あ、昨日わたし、イタリアン食べたんだよな…」→暗に「イタリアンは嫌」というシグナル
2.「２人の好きな方でいいよ！」→「２人の希望を尊重します」と言う発言

この場合、ほとんどの人は「あ、じゃあお寿司でいいよ」となるはずだ。あなたは、自分の希望を通すことができ、一応、２人の意見を尊重したような雰囲気も作れる。

こんな風に、NOとYESを同時に発信し、相手を自分の意図通りにコントロールすることを、心理学では「ダブルバインド」と言うんだが。どうやら君は、こいつを知らぬ間に多用しているようなんだ。

モヤッとしたかい？「そんなこと、してないし！」と怒りが湧いた？ごめんよ。僕だって、あなたを不快にさせたいわけじゃないんだ。だがね、その不快さが、実はあなた自身の答えでもあるんだな。

何故ならさ。人は全く見当はずれなことを言われても、腹が立たない生き物なんだ。ノーベル化学賞をとった教授に、学生が「賢いとは思えません」と言ったところで、「オレってバカなんかな…」とモヤモヤしたりしない。「わたしを知らないんだな」と、余裕しゃくしゃく、腹も立たない。

逆に「自分は頭が悪い…」と、どこかで気にしてる人は、学生のそんな言葉を気に病んだり、カッとなったりする。あなたのモヤッは、まさにこれだ。

理詰めで申し訳ない。けど、ダブルバインドは本当に、ほんっっっとうに、やってる本人は無自覚で気づかない。だからここで、僕が悪役になってでも、丁寧にあなたに伝えたかったんだ。
何故ならね。ダブルバインドを多用すると、愛する人、友達が、離れていってしまうからなんだ。みんな、目には見えないコントロールを恐れてね。あなたはどうだい？そんな心当たりはないかい？

だがね。大事なのは、なぜ、あなたがダブルバインドをしてしまうか。なぜ、無意識に、人をコントロールしてしまうかだ。

あなたはただ、一人になるのが怖いんだ。自分の希望をストレートに伝えることで、相手が離れてしまうこと。この世界に見放されることが、どうしようもなく恐ろしいんだ。だから一見、相手を尊重するような語り口で、相手をコントロールしてしまうんだな。

そこには必ずあなたの「恐れの前提」がある。こいつを見つけて、手放すことで、きっとあなたは無意識のコントロールを、ゆるめることができるだろう。そうして、愛する相手と少しずつ、信頼関係を築けるようになる。

どうか「モッくまの星使い辞典」を作った、モクちゃんの記事を参考にしておくれ。僕はいつだって、あなたの友。心からの味方だよ。

「恐れの前提」ってなに？▼
http://moccuma.net/mokusei_blog/2022-04-15/
「あなたの中の『恐れの前提』の見つけ方」▼
http://moccuma.net/mokusei_blog/2022-07-09/

（Pisces）