上がる・下がる・落ちる

●ゆらぎ、アップダウンを自分にゆるす

どうやらあなたは、気持ちのアップダウンを、自分にゆるしていないようだ。

気持ちが落ち込む。何となく身体が不調になって、動けなくなる。そうなってしまう自分を律して、「いつも平均的なパフォーマンスを」と考えている。

ブレることをゆるさない。立ち止まること、休むこと、沈むことをゆるさない。常に直線的に成長を続けることが、人の成熟した姿だと思っている。違うかい？

やれやれ。あなたの心と身体の代弁者になって、僕から一言、言わせてくれ。

ゆらがない。落ちない。ブレない。そんな命などない。むしろ、その、頑なまでに強靭であろうとする態度が、危うい何かを招いてしまうことだって、あるんだぜ？

その昔、ある政治家が「女性は生理があるから、気持ちの変化や身体のアップダウンが定期的にやってきて、発言に一貫性がない」と言った。（今、こんなこと言ったら、大問題だがね！）

するとある女性が、「もし第二次世界大戦中、政界や軍の中に、もっと女性がいたならば。ゆらぎによって立ち止まり、『愚直に突き進む』一択に、ならずに済んだかもしれませんね」と答えたんだ。

つまりさ。直線的に進むこと。伸び続けること。行動し続けることばかりが、善じゃない。

命がそもそも持っている、ゆらぎや、ブレ、沈むことを、あなた自身が「豊かさの一つ」として、受け入れてあげること。それもまた、命の叡智の一部であると気づいて、大切にしてあげるタイミングなんだな。

また、このシンクロは、「肉体への感謝」と言うメッセージも含んでいる。

生まれた瞬間から、モノ言わず働き続けてくれている身体に。臓器に。皮膚に。手足に。骨に。どうか、心深くから「ありがとう」を伝えてあげてほしい。