悪者

●社会への苛立ちの向こうにある、真の「ゆるせなさ」に気づく

あなたはどうやら、ゆるせない誰かさんがいるようだ。

それは、要領のいい先輩かもしれないし、いつもボヤいてばかりの同僚かもしれない。居眠りしている政治家かもしれないし、環境問題に無頓着な、町のあの人かもしれない。

たとえちょっぴりの怒りでも、そいつが薄らいでいかないなら。忘れようとしても幾度もモヤッと思い出されるなら。その感情の向こうには、「あなた自身」が呆然と、立ち尽くしているかもしれない。

つまりさ。あなたが怒っているのは、遠い世界に生きた自分なんだ。

ひょっとするとあなたは、過去世のどこかで、大切な誰かを守れなかったのかもしれない。あるいはさ。誰かのために苦汁を呑んで、悪に手を染めてしまった。自分を激しく責めながらもね。

こうした後悔の強い過去世が、あなたには膨大にあるようなんだな。

今、これほどに、しつこい「ゆるせなさ」にさいなまれるってことはさ。当時のあなたの苦しみは、計り知れないものだったのだろう。

あなただけにしか分からない、強烈な痛みだったのだろう。僕はあなたに、敬意を表する。あなたの命に、これまでの人生に。その上で、僕は勇気を持って、あなたに伝えなければならない。

あなたがゆるせないその人は、過去世の自分なんだ。

弱い者たちに無頓着な彼ら。要領よく立ち回る彼ら。成長する気のない彼ら。「今さえよければいい」と考える彼ら。無能である彼ら。長いものにまかれて、ひょうひょうと生きている彼ら。

そう、あなたが腹を立ててきた彼らはさ。他世で生きた、あなた自身なんだ。これほどまでに、長きに渡って治まらない感情があるってことは、とどのつまり、そういうことなのさ。

またこのテーマは、「わたしは神様に愛されていない（と感じてしまう）」そんな、悲しみのテーマが含まれている。

そう思えてしまうことが、どれほど苦しく、孤独なものか、想像が難しいほどだ。あなたには、友達モクちゃんが書いた本、『世界は愛と法則でできている』を読んで欲しい。

あなたの心の痛みの本当の意味。ゆるせない連中が、実はどれほど、あなたの人生でかけがえのない存在か。この本がきっと、あなたに優しく教えてくれるだろう。

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